創業時における金融機関からの融資をサポートします! |
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〈創業融資を行っている金融機関とは?〉
●日本政策金融公庫の創業融資
●地方自治体の創業融資
●民間金融機関の創業融資
このページでは創業融資の95%を扱っているといわれており、私自身も借りることができた、「日本政策金融公庫の創業融資」についてご説明させていただきます。
●日本政策金融公庫の創業融資
日本政策公庫とは、国が100%出資している政府系の金融機関です。国が全面的にバックアップして運営されている金融機関なので、民間金融機関では審査が厳しくなりがちな創業者や中小企業向けの融資が大半を占めます。特に創業者向けの融資は日本で一番多く行っている金融機関ですので、創業者にとって一番使いやすい金融機関です。創業融資を借りるときは、まず公庫への相談がベストです。
特長①:「保証人無し」で借りられる融資制度がある
地方自治体の創業融資や民間金融機関の創業融資は、借り入れをする際、通常、法人の代表者は保証人に入り、個人事業主は別の方に保証人になってもらう必要があります。しかし、日本政策金融公庫の場合は実際に借り入れる金額によりますが、保証人不要の融資制度があります。
特長②:融資申し込みから決定までの時間が民間金融機関より早め
私の場合は、公庫の方と面談してからおよそ14営業日ほどで申し込みの書類一式が届きました。私は特に急いでいることは無かったのですが、例えば飲食店の開業等で不動産契約に関するような理由で融資の可否の結論が早く欲しいとき、理由をはっきり伝えると審査を早めてくれることもあります。通常は2週間程度で結論が出るところが多いのですが(建前上は1ヶ月と言っています)早ければ1週間程で出ることもあります。
特長③:金利について
金利については、おおかた年利2.0%~2.5%くらいですが、民間金融機関もこれくらいなので、金利面については日本政策金融公庫と民間金融機関ではそれほど差はありません。ただ公庫の場合は、商工会議所主催の創業スクールや指定の講習会等を受けることを条件にさらに安い金利で融資してもらえることもあります。私の場合がこれで、通常金利より1%以上低い金利で融資をしてもらえることができました。
1.審査を有利にするために必要な3つの要件
日本政策金融公庫が創業融資の審査をするにあたって見るポイントは、以下の3点があります。
●創業に必要な自己資金をある程度準備できているか
●創業するビジネスにおける経験を十分に積んでいるか
●創業に関する事業計画をしっかりと考えているか
ⅰ.創業に必要な自己資金をある程度準備できているか
日本政策金融公庫だけでなく、民間金融機関等の融資も同じですが、創業に必要な自己資金の目安は「創業に必要な資金額の3割程度」といわれています。私の場合は、実際の融資金額から4割程度の自己資金がありました。やはり、自己資金が0、あるいは極端に少ない場合は、融資を受けることは非常に厳しいといわれています。
ⅱ.創業するビジネスにおける経験を十分に積んでいるか
創業するビジネスにおける十分な経験の目安は、5~6年以上の経験と言われています。私の場合、営業経験としては、十分な年数の経験を積んでいましたが、「行政書士としての経験」が無かった為、希望通りの満額の融資は受けることができなかった理由の一つだったと思います。
ⅲ.創業に関する事業計画をしっかりと考えているか
事業計画書については「この計画なら返済できると確信が持てる事業計画書」と言われています。私の場合は、住んでいる茨木市から創業支援として補助金があり、その補助金を受けるには日本政策金融公庫からの融資を受けることが条件でかつ、市から紹介された中小企業診断士の方と面談を重ね、事業計画書を練り上げていくというものでした。私はこの先生のおかげで、しっかりした事業計画書を作成することができました。
2.創業融資は開業3ヶ月以内に借りるのがベスト
創業融資は、開業3ヶ月以内が一番借りやすいと言われています。日本政策金融公庫としては「開業後、税務申告を2期終えるまで」借り入れ可能を謳っていますが、開業して3ヶ月を超えると、見られるポイントが1つ増えます。それは「実績」です。
開業3ヶ月以内なら、まだ準備期間のうちだからと公庫も実績を重要視することは無く、前述の3つのポイントのみで審査します。しかし、3ヶ月を超えたところから「(売上や収益の)実績」を加味して審査します。さらに6ヵ月を過ぎると、「実績」が重要な審査ポイントになってきます。「自己資金」や「経験」が十分にあり、しっかりした「事業計画書」があっても、3ヶ月を過ぎた時点で「実績」が伴っていなければ、「減額される要因」になるのです。3ヶ月以内なら「3つのポイント」だけ見て審査しますので、公庫にとって満足できる内容なら満額貸してもらえる可能性は高くなります。創業資金を借りたい創業者は、開業から3ヶ月以内に申し込むことをお勧めします。私の場合は、開業から4ヶ月目に公庫の方と面談をしました。唯一1件だけですが、受任実績がありましたので、少しは審査における評価加点になったかもしれません。
3.創業融資ではいくらぐらいの金額を貸してもらえるか
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の融資限度額は、3,000万円(うち運転資金1,500万円)と定められています。しかしこれはあくまでも制度上の話しで、実務上の上限額は1,000円万円となっているケースがほとんどです。また、一般的には「自己資金の倍額」が貸してもらえる基本的な目安と想定しておきます。しかし、自己資金が少ない場合でも、申請の際に資料を追加で提出するなどの工夫で自己資金の2倍以上の創業融資を借りられることもあります。
創業に必要な設備投資に多額の資金が必要で、かつ多額の自己資金が用意できている場合は、1,000万円を超えて貸してもらえることもあります。また、1,000万円以上の融資が必要な場合は、日本政策金融公庫に申し込む際に「民間金融機関との協調融資」をしてもらえないか相談してみます。公庫が中心となって、提携している民間金融機関と協調融資の調整をし、合計で1,000万円以上の資金調達をしてもらうことも可能になります。また、公庫で1,000万円しか借りることができなくても、地方自治体の創業融資や民間金融機関のプロパー融資を借りて資金補填することは可能です。
※プロパー融資…民間金融機関が独自で(全額負担)融資する制度
4.創業融資の審査が厳しくなるパターン
(1)自己資金がゼロの人
「自己資金はゼロだが、創業融資を借りたい」と相談に来る創業者は少なくないようです。自己資金ゼロでの創業融資申し込みは制度上は可能ですが、実務上は貸してもらえません。ゼロでなくても、自己資金額が極端に少ない場合も同様で、借りることは難しいです。自己資金が少ないと、金融機関は「準備不足」とみなします。創業に資金が必要なのはわかっていることですから、自己資金額が少ないと「思いつきの創業で、気持ちもヌルイのではないか?」と審査が厳しくなりがちです。「自己資金の多さ=創業に対する決意が固い」と受け取られるので、用意している資金が多ければ多いほど本気度が伝わり、審査によい影響を与えます。ただし、創業の準備で既に自己資金をいくらかでも使っているなら、設備投資等をした物品の領収書や通帳を見せれば、資金が減っている理由が明確であるので、融資額を決定する上で考慮にいれてもらえます。私の場合、まさに開業準備段階でけっこうな額を使っていましたので、その領収書と預金通帳を提出しました。なので、申請時点での自己資金は決して潤沢ではなかったですが、融資を受けることができました。
(2)創業を考えている事業の経験が浅い人
日本政策金融が融資をする際に参考にするのは「実績」です。しかし、当然ですが創業者には実績はありません。そこで実績の代わりに見るのが、「その事業における経験」です。日本政策金融公庫は過去に行った創業融資のデータより、「経験のない業種に参入する創業者は失敗しやすい」ことがわかっています。創業を考えている事業に対する経験が乏しいと、融資をしてもらえる確率は低くなりがちです。上述しましたが、その事業に対して、5~6年の経験を目安に審査されています。しかし、私の場合のような「士業」や「コンサルティング」等の、知識やノウハウを提供する商売の場合は、いわゆる会社員時代の営業経験や管理職経験が加味されるため、必ずしも「その事業における経験」が無いと融資してもらえないということはありません。
(3)説得力が不十分な事業計画書
日本政策金融公庫が創業融資に審査を行うとき、重要視する判断材料が「事業計画書(創業計画書)」です。創業者が思い描いた事業を、どう実現させていくのかの道筋を示すのが事業計画書です。すなわち事業計画書は、自分の事業を成功させるための設計図になります。それだけ重要なものであるにもかかわらず、作成する時間が足りない、そして面倒だからといって説得力が不十分な事業計画書では厳しいです。受け取った公庫の担当者は、事業が成功する可能性が低いと判断します。事業計画書の出来次第で融資の可能性は大きく変わるので、事業計画書は時間をかけて十分に吟味して書きます。そこで我々のような専門家の力を借りていただければと思います。
(4)金利の高い借金をしている人
公庫が融資審査をする際、初めての取引の場合は必ず「個人信用情報照会」を、個人信用情報登録機関に対して行います。信用情報とは、個々人のクレジット、ローンの契約等に関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です。この個人信用情報を見ると、申込者が、いつ、どこから、どれくらい借りているのかがわかります。消費者金融やクレジットローン、カードローンを借りている額が大きければ、それだけで公庫にとっては断る理由になります。なぜなら、消費者金融やクレジットローン、カードローンの金利は高いからです。そのような高い金利でお金を多額に借りている場合は、将来的に返済するのが難しいと公庫は判断します。高い金利で借金している人は、融資を断られる確率が高くなることを念頭に置いておく必要があります。
(5)返済期日からの遅延や延滞が多い人
「個人信用情報照会」では、「今の借入額」と同時に、「これまで返済期日等を守って返済していたのか」もわかります。過去に返済期日からの遅延等があった場合、ブラックリストに載り、その情報が一定期間登録されます。「借りていたお金をきちんと返済していない」という悪い実績があった場合、「この人はまた返済遅延をするのではないか」と思われてしまいます。過去に返済期日に遅れたり、遅滞したことがある方は融資を断られる可能性があると認識しておく必要があります。
(6)税金の未納・滞納がある人
税金には「先取特権」というしくみがあり、税金を滞納していると預金を差し押さえられることがあります。公庫としては融資した資金が差し押さえられる可能性を鑑み、税金の未納・滞納がある方には融資をしません。まず、未納・滞納している税金を支払ってから、融資の申し込みをします。
5.創業計画書に記載すべき10項目とは
(1)創業の動機
公庫は「創業の動機」を見て、申請者の「決意度」を吟味します。「創業の動機」が明確な創業者は、多少の困難があっても事業を諦めず、辛抱強く経営を行うことを公庫はわかっています。内容の濃い「創業の動機」を書くことで、希望額に近い資金が借りられる確率が高まります。
(2)経験・経歴・実績をアピール
創業を考えている事業での豊富な経験があれば、それをアピールすることで審査に有利に働きます。対して経験が少ない人は確かに審査は厳しめになりますが、書き方次第で融資の可能性を引き上げることができます。「経験年数は乏しいものの、十分その事業を行える能力は持っている」と理解してもらうため、これまでに積んだ経験が創業する事業のどの部分に有効かを明確に書く必要があります。その事業自体の経験は無くても、会社員時代に培った営業経験等を具体的に記載します。
(3)取扱商品・サービスの特長を記載
どうすればターゲット顧客のハートを射止めることができるか、取り扱っている商品やサービスの特長を書きます。「弊社の商品・サービスはこのような特長があるので、ターゲット顧客が魅力を感じてくれる」ことを、ここで強く伝えます。物ではなくサービスを販売する場合は、より特長を見出すことは難しいですが、その一工夫、二工夫が審査に好影響をもたらします。
(4)ターゲット顧客を明確にする
私の生業である行政書士業は、特に最初は取扱うサービス・ターゲット顧客を絞った方がいいとよくいわれます。ターゲット顧客が明確でないと、ビジネスが成功しにくいことを公庫はよく知っています。確かにターゲット顧客が明確でないと、効果的な販売促進戦略の構築が困難です。ターゲット顧客のリストを作成したり、市場調査を行ったりなどしてターゲット顧客のニーズを把握しておけば、「ニーズに応えた商品・サービスだから顧客に受け入れられる」とアピールできます。
(5)自分が持っている強みをアピール
資格や経験など自分が持っている強みを具体的にアピールすることで、その事業が成功する可能性が高いと公庫は前向きに考慮してくれます。
(6)競合分析を行う
競合となる相手と比較し、その優位性を訴えることで、公庫に「この事業はターゲット顧客から選んでもらえる可能性が高い」と判断してもらうことができます。ご自身の店・事務所の近隣の競合先ホームページを熟読し、どうすれば差別化が図れるか?等を考えて形にする必要があります。
(7)マーケティング戦略(販売促進戦略・集客戦略)を具体化する
例えば、ホームページ制作の場合、宣伝のためのDMはいつ・どの地域に・どれくらい・どのような内容で出すか、FAXDMは同様にいつ・どの地域に…といった具合に当面のマーケティング施策を具体的に記載します。マーケティング戦略が具体的になっていなければ、数値計画に書かれている「売上の根拠」を表すことができません。「売上の根拠」に説得力がないと、公庫はその事業計画に対し「絵に描いた餅」という評価をします。「いつ」「だれが」「どのように」集客や販売促進を行うかを具体的に書くことで、公庫の事業計画に対する評価は高まります。
(8)必要資金とその調達方法
公庫は融資をする際、申請金額の妥当性を見ます。妥当でない金額を申請した場合、減額されるか、他の基準と総合的に吟味され厳しい場合、融資申請そのものが否決になることもあります。また、自己資金の調達方法が評価するに値するかどうかもここで判断されます。自己資金をコツコツ貯めてきたのか(創業のための今までの努力)なども、面談の際にこの部分を問われることがよくあります。創業準備段階で実際に使った金額もしっかり記載し、領収書とともに提出します。当然ですが、お金を借りることですので、どのようなことにどれくらいの資金が必要かを具体的に記載する必要があります。
(9)現在の借入の状況
公庫は申請者の現在の借入状況を確認し、「今回の融資をしても返済できるかどうか」を判断します。借入が多い場合でも、ありのままの真実を記載します。仮に記載しない場合でも、信用調査でその事実が判明するからです。さらに記載せず申請すると「虚偽申請」とされ、融資を断られる理由になります。ありのままを必ず記載するようにします。
(10)数値計画(収支計画)
公庫は数値計画を見ることで、その事業における返済可能性を判断します。数値計画自体が現実的な数字とかけ離れていると「この計画は達成不可能だ」と判断しますので、融資は否決されます。できる限り実現可能性が高く、根拠のある数値計画を作成する必要があります。私の場合は、向こう3年目までの売上・粗利計画を記載しました。1年目からあまり高い数字を記載することは避け、3年目くらいにほぼ理想の数字を記載するのがよろしいかなと思います。
6.創業融資を満額借りられる確率を上げるには
自己資金を3割以上持っていて、創業するビジネスに関する経験が6年以上あり、しっかり練られた事業計画書を作成できていれば、希望額を満額貸してもらえる可能性が高いと思います。
「自己資金」「経験」「事業計画書」のどれかが不十分だと、そのままでは満額の可能性は下がります。しかし、「自己資金」が不足していれば「経験」をアピールし、「事業計画書」を充実させることで満額融資につなげることができます。そして「事業計画書」が充実していなければ、「自己資金」が3割以上あっても、「経験」を十分に積んでいても、満額融資してもらうことは難しいでしょう。重要なのは、「満額貸しても返済できる事業者」だと思ってもらえる事業計画書の作成です。前述しましたが、私の場合は、中小企業診断士の先生にご指導いただき、希望額満額ではなかったですが、創業融資を借りることができました。仮に、私一人で事業計画書を作成して申請していたとすると、融資を受けることができなかったかもしれません。公庫には、指定の創業計画書(A3/1枚)があります。この創業計画書の提出はもちろん必須ですが、私は別紙で事業計画書も提出しました。指定の創業計画書のみの提出では、審査は厳しくなるかもしれません。公庫に限らず、民間金融機関等であっても、中身の薄い事業計画書では高い評価を得ることはできません。やはり相応に中身の充実した計画書になると、複数枚になるものです。
7.さいごに
以上これまで、日本政策金融公庫から創業融資を借りられるコツをご説明しましたが、これらを誰のアドバイスも受けずにお一人で作成するとなると大変なものですし、「起業」という人生を賭けたスタート地点において、誰のチェックも受けずにことを進めるのはよろしくないと思います。日本政策金融公庫への創業融資については、なにより私自身、経験したことが強みですので、一度ご相談いただければと思います。